一部の方から人気を博しております
【その中華、日本料理アルよ】シリーズ。
中国駐在時に、
中華料理だと日本人が思っているものでも、
現地で全く見かけなかったということが多々ありました。
そうした【その中華、日本料理アルよ】第四弾は、
焼餃子です!
日本で餃子といえば基本的には焼餃子ですが、
これも実は中国での捉え方と違ってきております。
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【過去のシリーズはこちらから】
▼第一弾!担々麺▼
▼第二弾!冷やし中華▼
日本が冷やし中華をはじめました【その中華、日本料理アルよ2】
▼第三弾!天津飯▼
「天津飯」と百度検索したらドラゴンボールが出てきた【その中華、日本料理アルよ3】
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中国での餃子の起源は薬用だった?
中国版ウィキペディアである「百度百科」をたどってみると、
餃子の起源は薬用であったことが記されています。(↓)
饺子起源于东汉时期,为东汉河南南阳人“医圣”张仲景首创。当时饺子是药用,张仲景用面皮包上一些祛寒的药材用来治病(羊肉、胡椒等),避免病人耳朵上生冻疮。
(百度百科より引用)
ざっくり和訳すると、
東漢(日本で言う後漢)の頃、
河南省南陽市の凄腕医者である張仲景氏が薬用として考案したのが始まり。
後漢というと紀元25年-250年なので、
餃子は2000年近くの歴史を有する、伝統料理と言えますね。
餃子のはじまりについては諸説ありますが、
中国ではこの後漢時代の薬用説が最も有力な起源と言われています。
中国では旧正月によく食べられていた
いまから2000年前に生まれた餃子ですが、
後漢から三国時代、南北朝、宋、明、清と時を経ながら、
少しずつ作り方などが変化してきました。
そんな中、餃子が縁起物として旧正月によく食べられるようになります。
その由来は発音にあり、
饺子(ジャオズ)(jiao3zi)は交子(ジャオズ)(jiao1zi)と似ており、
「餃子は子宝に恵まれる」という縁起をかついで旧正月に振る舞われるようになったのです。
他にも餃子が餡を包み込む形状をしていることから、
「福を包み込む」ことにつなげて食べられることも有りました。
いまでは日常食として餃子を食べますが、当時は縁起物だったのですね。
餃子は中国では焼餃子でなく水餃子を指す
いよいよ今回の核心部分。
中国で「オヤジ、餃子一つくれ」と注文すると、100%水餃子が出てきます。
間違いありません。
彼らの中で「餃子=水餃子」なのです。
日本人は餃子といえば焼餃子をイメージする人が大半ですが、
中国で一般的なのは蒸した水餃子の方です。
実際に中国版グーグルの百度で「餃子」と検索しても、
ヒットする画像はすべて水餃子のみです。(↓)
中国人が餃子として認識しているのは水餃子の方なのですね。
そして、水餃子とひとくちで言ってもバリエーションは非常に豊富で、
餡の種類が多岐にわたります。
ベーシックなひき肉を使ったもの、ニラがメインのもの、
白菜が多い餃子や、蟹肉、エビ入り、パクチーてんこ盛りなどなど。
中華料理屋に入れば餃子だけで多い店では10種類以上のメニューがあります。
さらに日本との違いは、その食べ方。
日本は餃子の王将を筆頭に「餃子定食」としていただきますよね。
「餃子+ご飯+etc」といった形でご飯のおかずとして食卓に並びます。
(餃子の王将より)
一方の中国では餃子は主食です。
なので餃子とご飯を一緒に食べることはめったにありません。
一般的には「餃子+空芯菜などの野菜炒め+酸辣湯などのスープ系」
というような組み合わせで食べることが多かったです。
中国にも焼餃子があることはあるが
さいごに、じつは焼餃子も中国にはあることはあります。
それは「饺子」とは呼ばず、
「锅贴」(グォティエ)(guo1tie1)や「煎饺」(ジエンジャオ)(jian1jiao3)と呼ばれる別メニューです。
そして、焼餃子は大抵の中華料理屋で取扱はありませんでした。
駐在員の友人たちとたまに焼餃子が食べたくなって、
餃子料理屋にいって焼餃子を注文しても
没有(メイヨウ)(mei2you3)と当然のごとくメニューにないことを指摘され、
やむなく蒸した水餃子を食べることも多々ありました。
こうしたことから、焼餃子はもはや日本メインの料理で、
本土中国の餃子は水餃子であると結論付けたいと思います!
これからも引き続き、【その中華、日本料理アルよ】を
まとめていこうと思いますので、
乞うご期待ください!
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