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消費税率(TVA)20%のフランスで税金について考える

いまパリへ旅行に来ていますが、免税手続きをするために税金について調べていたところ、税金のあり方について思うことがあり、今回は税制と人々の生活について述べていきます。

結論としては、日本の多くの有識者は欧州の高税率制度を支持しているが、実際少し滞在してみるとそんなにうまく運用できてないんじゃないかと感じました。

 

本稿の流れとしては、

フランスの消費税についてまず簡単に説明し、

日本との税金の運用用途よ違いを確認して、

最後に実際にパリで感じたことを述べていきます。

 

まずは簡単にフランスの消費税について。

こちらの消費税にあたるTVA(テーヴェーアー)は基本的に20%と、日本と比べて高い水準にあります。

この消費税制度はフランスが世界に先駆けて1954年にスタートさせたもので、日本の35年も前から運用しています。

また、日本同様に軽減税率が適用されており、生活必需度合いなどにより、

20%、10%、5.5%、2.1%と4段構えになっております。

その内訳は、たとえばお酒は20%で、パンやブラックチョコレートは5.5%など。

 

この消費税がフランスの税収の半分ほどを賄っており、国に欠かせない税収として確立されております。

日本の消費税は税収全体の13%なので、規模感の違いは一目瞭然ですね。

 

続いて、税金の用途で日本とは違うものとしてよく挙げられるものを2点確認します。

 

まず一つ目は、医療負担です。

フランスでは国民全員が保険制度に加入する義務があり、それを税金で賄っています。

ここまでは日本と同じですが大きな違いとして、ガンや糖尿病に罹患した場合は、医療費が完全無料という点。

さらに通院の際のタクシー代も国が負担してくれます。

 

次いで2点目は、学費負担です。

公立であれば幼稚園から高校までの学費が無料になります。

学費補助は大きいですね。

日本でも「高等学校等就業支援金制度」により公立高校の授業料はすでに無償化されているものの、「年収910万円未満」の世帯に限るため、

僕のブログの読者さんたちの多くはこの恩恵に授かれないのではないでしょうか。

2020年4月からは授業料の支給額の上限が引き上げられ、私立高校の平均授業料くらいまで支給額が上がりますが、

こちらも「年収590万円未満」を満たす家庭が対象なので結構制限が厳しいですね。

 

さてフランスは、こうした高い消費税率を課しながらそれに見合う行政サービスを提供しているように思えるのですが、

僕が目にしたパリでの状況では必ずしも上手くいってないのではないかと感じた次第です。

 

たしかに医療費や学費の負担はありがたいですが、

パリ市街地であっても道路や歩道があまり舗道されておらずデコボコしているところも多々ありました。

雨が降ってもなかなか水がはけないコンクリートも多く、この辺を比較すると日本のインフラは非常に整っていると感じました。

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そして、絶賛僕の旅行予定にも多大な影響を与えられましたが、地下鉄やバスなど公共交通機関のストライキ問題です。

ここが日本人の感覚として僕が最も解せない、まさに文化の違いだと痛感した部分です。

今回のストライキは年金改革に反対を示すため、各労働組合などが組織して大型ストライキを19年12月から1ヶ月以上続けています。

その規模としては、たとえば地下鉄やバスは朝夕のラッシュ時以外は全休、列車も南北のアクセスを分断される、警察署も時間限定でしか運営しないなど、

想像を絶する不便さを強いられております。

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パリ市民はこうしたストやデモは慣れっこのようで、なんだかんだやり過ごしている感じがしましたが、

20%もの高い消費税率を負担させておきながら、公的機関がこうも易々とサービスの提供をストップさせていいものなのかと疑問に思います。

これがまさに文化の違い、国の成り立ちの違いによるのだと思いますが、元々彼らは数多くの独立戦争などを戦い抜いていまの国家を築いているため、

自分たちが納得できないことがあれば徹底的に抗戦するという姿勢が形成され、そしてそれをまた多くの国民も支持しているのかもしれません。

日本で急に都営地下鉄や警視庁がストップしたら、まったく都民の理解は得られないのではないかと思います。

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なんか税金の話から最後は公共機関のストライキへと話が逸れちゃいましたけど、なんでもなんでも欧米のシステムが良いというわけではないと肌で感じた次第です。